おすすめ書籍

リーダーシップ・マネジメント本のお薦め

1. はじめに

リーダーシップ・マネジメントに関するお薦めの本を紹介します。

2. リーダーシップ・マネジメントに関する本のおすすめランキング

[エッセンシャル版]マネジメント 基本と原則 ピーター・ドラッガー(ダイヤモンド社)

[エッセンシャル版]マネジメント 基本と原則 ピーター・ドラッガー(ダイヤモンド社)

ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(P.F.ドラッガー)氏(1909~2005年)は、ビジネス界に最も影響力を持つ思想家として知られております。「分権化」「目標管理」「経営戦略」「顧客第一」「コアコンピテンス(Core Competencde:核となる能力)」等の多くの手法を考案して発展させてきた「経営の神様」です。

この「[エッセンシャル版]マネジメント 基本と原則」は、タイトルの通りマネジメントの基本と原則を集約して示しているものあり、マネジメントを行うビジネス・パーソンにとってのバイブルであり、必読の書籍です。

目次は以下の通りです。PARTⅠの「マネジメントの使命」では、マネジメントは組織の機関であり、組織とは社会的な機能を果たし、社会に貢献するための社会の機関であることを示しています。PARTⅡの「マネジメントの方法」では、マネジメントは企業の現実とニーズに根ざした存在であり、そのためにマネジメントの職務や仕事、技能、組織が存在するという位置づけを明確にしたうえで、具体的なマネジメントの方法を解説しています。PARTⅢの「マネジメントの戦略」では、マネジメントは方向づけを行い、ビジョンを明らかにし、基準を設定する機関であることを解説しています。

PARTⅠ マネジメントの使命
 第1章 企業の成果
 第2章 公的機関の成果
 第3章 仕事と人間
 第4章 社会的責任
PARTⅡ マネジメントの方法
 第5章 マネージャー
 第6章 マネジメントの技能
 第7章 マネジメントの組織
PARTⅢ マネジメントの戦略
 第8章 トップマネジメント
 第9章 マネジメントの戦略
付章 マネジメントのパラダイムが変わった

マネジメントは、組織の成果を上げるために必要な機能です。マネージャーは、組織の成果に責任を持ち、人的資源をツールや仕組みを活用してマネジメントを実行する人となります。本書籍は、マネジメントの使命から方法、戦略まで、基本と原則をしっかりと教えてくれます。

全文完全対照版 論語 コンプリート: 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文(誠文堂新光社)

全文完全対照版 論語 コンプリート: 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文(誠文堂新光社)

本書籍は、タイトルにある通り、論語の一文超訳と現代語訳、書き下し文、原文がセットになったボリュームのある書籍です。論語に関する書籍は多くありますが、仕事のリーダーとして活躍している人、活躍したいと考えている人にとっては、是非、読んでいただきたい一冊です。論語に通じている人やリーダー、組織は強くしなやかなのです。

なぜここで論語なのかというと、実は、現代の日本の考え方の多くは、論語の影響を受けていたり、論語が前提となっていることをご存じでしょうか。現代日本人の精神基盤として大きな存在となっているのです。

特徴的なことは、信義、誠実、勤勉、礼儀正しさ、時間に正確なことなどであり、論語の教えに一致しているのです。儒教の国と言われる中国や韓国では論語の教えとは違っており、本当の意味で論語の内容が浸透している社会は日本なのです。書籍でいえば、新渡戸稲造氏の「武士道」、日本のビジネスの礎を築いた渋沢栄一氏の「論語と算盤」の著書においても、論語のすばらしさや日本における歴史や影響についても記されています。

本書籍は、著者が長年にわたる学習実績と現代感覚から、原文の主旨を残しながら、孔子が伝えたいことをまとめて、現代の日本人の理解に適合するところを目指して書かれているので、ボリュームはありますが、大変理解がしやすくなっています。更に、漢字のみの原文にオリジナルの書き下し文がついているので、興味がある人はオリジナルの文章についても確認することができます。ボリュームが多すぎるという方は、興味を持ったタイトルをピックアップして読むことから始めてもよいと思います。

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 ジム・コリンズ(日経BP社)

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 ジム・コリンズ(日経BP社)

ジム・コリンズ氏は、ピーター・ドラッガーの亡き後、世界で最も影響力のあるビジネス・シンカーです。本書籍は、「ビジョナリー・カンパニー」に続く、「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」であり、400万部を超えるミリオンセラーであり、世界中のビジネスパーソンに読まれています。その他、「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階」「ビジョナリー・カンパニー4 自分の意思で偉大になる」もありますが、本ブログでは、まず、こちらの「2」をお薦めしています。

本書籍では、6年の歳月をかけて「良い企業(グッド・カンパニー)」と「偉大な企業(グレート・カンパニー)」の違いを調べています。「偉大な企業」の対象は11社です。これらの企業の膨大な情報を集めて、これらの企業の共通する要素を、他のの競合企業を比較・分析したうえで、そこから得られた知見を「偉大な企業の法則」としてとりまとめています。目次は以下の通りです。

第1章 時代を超えた成功の法則
第2章 野心は会社のために-第5水準のリーダーシップ
第3章 だれをバスに乗せるか-最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
第4章 最後にはかならず勝つ-厳しい現実を直視する
第5章 単純明快な戦略-針鼠の概念
第6章 人ではなく、システムを管理する-規律の文化
第7章 新技術にふりまわされない-促進剤としての技術
第8章 劇的な転換はゆっくり進む-弾み車と悪循環
第9章 ビジョナリー・カンパニーへの道

私が特に感銘を受けたのは、第5水準のリーダーシップのあり方や誰を同じバスに乗せるかが最も重要であること、新技術が全てではないこと、パラダイムシフトはゆっくりと着実に進んでいくことなどです。

皆さんにとっても、所属する企業等で教わったこと、取り組んでいることとは異なるが、重要な視点が、実在する企業のケースに基づき解説されており、大変きづきが多い書籍です。

恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす エイミー・C・エドモンドソン(英治出版)

恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす エイミー・C・エドモンドソン(英治出版)

エイミー・C・エドモンドソン氏は、ハーバード・ビジネススクールの教授であり、リーダーシップ、チーム、組織学習の研究と教育に従事し、2011年以来、経営思想家ランキング「Thinkers50」に選出され続けている著名な教育者です。

「心理的安全性」という言葉が昨今、聞かれるようになっていますが、エドモンドソン教授は、その考え方の先駆者と言ってよいと思います。そのため、まず、原理・原則を知る上で大変重要となる本書籍をお薦めしています。

「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす重要な要素であると説いています。目次は以下の通りです。

第1部 心理的安全性のパワー
 第1章 土台
 第2章 研究の軌跡
第2部 職場の心理的安全性
 第3章 回避できる失敗
 第4章 危険な沈黙
 第5章 フィアレスな(恐れのない)職場
 第6章 無事に
第3部 フィアレスな組織をつくる
 第7章 実現させる
 第8章 次に何が起きるのか

「心理的安全性」を話題にする人が増えていることで、定義や主旨が間違って捉えられて誤解が広まってしまう懸念があります。例えば、日本でよく使われる「ハイテンション」もはや意味不明な解釈となり、ジャパングリッシュな状況になっています。心理的安全性は、感じよくふるまうこととは関係なく、性格の問題でもなく、信頼の別名でもなく、目標達成基準を下げるものでものでもありません。しっかりと原理・原則を理解して、正しく活用していくことが重要です。

心理的安全性 最強の教科書 ピョードル・フェリクス・グジバチ(東洋経済新報社)

心理的安全性 最強の教科書 ピョードル・フェリクス・グジバチ(東洋経済新報社)

「心理的安全性」のある職場とは「楽しく優しい」職場のことではありません。心理的安全性を高めることは、あくまで組織の生産性を高めるための手段でありゴールではありません。心理的安全性が確保されていることで、メンバーが本来の力を十分に発揮できて、チームのパフォーマンスが向上し、その結果としてビジネスの成果を出していくことが重要です。

本書籍の目次は以下の通りであり、「理解編」「マインドセット編」「実践編」の3部で構成されています。

第1部 理解編
 第1章 心理的安全性とは何か
 第2章 心理的安全性を高める「考え方」の基本
第2部 マインドセット編
 第3章 心理的安全性を高めるマネージャーの「自己認識」
 第4章 心理的安全性を高めるマネージャーの「自己開示」
 第5章 「相手を知る」「理解する」マネージャーの心構え
第3部 実践編
 第6章 職場におけるメンバーとの「接し方」のヒント
 第7章 メンバーの「問題を解決する」「成長を促す」マネージャーの心得
 第8章 心理的安全性を高める「目標設定・管理・評価」

本書籍では、基本となる心理的安全性や目指すもの、マネージャーとしの準備や持っておくべき基本的な考え方に始まります。その上で、マネージャーが自分自身のことを知り、周囲に伝えることの重要性を示し、皆さんが実際の行動に移していくための考え方や具体的なアクションについて解説しています。

著者のピョードル・フェリクス・グジバチ氏は、モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発、組織改革、リーダーシップマネジメントに従事した経歴を有しており、理論だけでなくより実践型の書籍であることが本書籍をお薦めしている理由です。実体験に基づいているので、言葉の一つ一つに重みがあり、熱量を感じることができ、マネージャーとして具体的な行動を移していく上で有益な書籍ですので、是非、読んでいただきたい一冊です。

ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集 石角莞爾(集英社)

ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集 石角莞爾(集英社)

タルムードは、人生に起こりうるあらゆる問題を知り、柔軟に対処する術を見つけるための知恵の宝庫になっていて、この知恵はユダヤ人だけではなく、全世界の人々が、数千年たった現代においても、全く色あせることなく活用することができる、超がつくほどの重要なバイブルです。詳細は以下のサイトの方でまとめていますのでこちらをご覧ください。