1. はじめに
仕事は多くの人にとって生活を維持するための手段であり、お金を得るために行うものです。しかし、お金のためにと割り切って働くことには危険な側面が存在します。本記事では、その危険性とそれに対処する方法について、ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん 改訂版」を参考に解説します。
2. お金のためにと割り切って働くことが危険な理由
(1) 心が恐怖に支配されてしまう
お金のためにと割り切って働いていると、多くの人は安全そうなことだけやって安心していたいと思ってしまいます。そこには何かを学んだり変えていくという情熱は存在しません。安全に働くことができるかどうか、お金に困らないかどうかという恐怖に支配されてしまいます。このような状況では、成長や挑戦、自己実現など、人生の豊かさを追求することができません。
(2) 給料が増えても問題は解決しない
お金のために頑張って働いて給料が増えたとしても、問題は解決しません。給料が高くなると、生活レベルを上げることが容易になります。しかし、結局のところ支出も増え、貯金がたまらない状況が続きます。その結果、将来や老後に不安を抱えたり、政府に依存する体質になる可能性があります。このような状況では、常にお金に対する恐怖がつきまとうため、結果的にストレスを抱えることになります。
(3) 学校はお金のために働く方法を教えている
学校では、お金のために働く方法を教えてくれますが、それによって生徒たちはお金に対する価値観が歪んでしまうことがあります。良い成績を取って、良い高校や大学に進学し、良い企業に就職することが目標とされます。しかし、こうした目標はお金を得る手段であると同時に、人生の目的や情熱を奪ってしまう可能性があります。その結果、将来の目標や夢が曖昧になり、お金のためにと割り切って働くという状況が生まれやすくなります。
3. お金のために働くというマインドから解放されるためにできる行動
(1) お金について勉強する
学校ではお金のために働く方法を教えてくれますが、お金に自分のために働いてもらう方法や、税金のこと、事業のことなど、人生を左右しかねない大切なことは教えてくれません。そのため、自分で学ぶ必要があります。
その際、誰から学ぶかということが重要になります。筆者はリベ大学長である両氏の「お金の大学(朝日新聞出版)」から始めることをお薦めします。
その理由は、お金にまつわる5つの力「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」とバランスがとても良く、更に分かりやすいので、これまでお金の勉強をしてこなかった人にとっては、人生感を変えてしまうほどのインパクトがあります。
また、適正なリスクについてもしっかりと記載しているので、その面からも安心して勉強できます。
その他にも、たくさん良い書籍はありますが、まずは分かりやすく学び、基礎を固めることが大切です。
(2) 小さい規模・リスクで実践する
お金について勉強をしながら、できることを小さい規模・リスクで始めてみることが大切です。
具体的には、「お金の大学」から学んだことのうち、小さい規模・リスクのもので、1つでも実践してみることをお薦めします。大きな支出を減らす、減らしたお金で少額で投資をするでも、何でもよいのです。適正なリスクについてもしっかりを書いてくれています。安全だけを見ていては解決しません。リスクを理解することが大切です。
また、いつから始めるのか、ですが、お金について勉強して100%理解してから始めるとなると、始めるまでに何年もかかってしまいますし、そもそも100%理解できることもありません。常に情報は新しくなるし、正解もないからです。
そのため、「お金の大学」を読んだらすぐに始めてもよいです。読みながら始めてもよいくらいです。火傷ではなく、かすり傷程度で済むことであれば、失敗してもそこから学んで成長していくことができます。失敗は成功への最短の道のりです。
4. まとめ
お金のためにと割り切って働くことは、一見安定した生活を築くための手段のように思えますが、そのマインドは心に恐怖とストレスを与えることがあります。給料の増加や物質的な豊かさが問題を解決するわけではありません。それに加えて、学校教育がお金のために働くことを強調し、人生の目的や情熱を奪ってしまう可能性もあります。
お金のために働くマインドから解放されるためには、以下の行動が有効です。
(1) お金についての知識を学ぶ: お金に関する知識や情報を学ぶことは、お金のために働くマインドからの解放につながります。「金持ち父さん貧乏父さん 改訂版」など、信頼性の高い情報源から学ぶことをおすすめします。
(2) 小さな規模やリスクで実践する: 学んだ知識を基に、小さな規模やリスクでお金に関連した実践を行ってみましょう。支出の見直しや節約、少額の投資や副業などを試してみることで、お金に対する新たな視点や可能性を見つけることができます。
お金のためにと割り切って働くことは、将来の安定や物質的な豊かさを追求する一方で、心に恐怖やストレスをもたらす可能性があります。そのようなマインドから解放されるためには、お金についての知識を学び、小さな実践を通じて自分自身の視点を広げることが重要です。また、自分自身の人生の目的や情熱を見つけることも大切です。お金は生活を維持するための手段であり、豊かさを追求するための手段ではありません。
5. おすすめ書籍「金持ち父さん貧乏父さん 改訂版(筑摩書房)
「金持ち父さん貧乏父さん 改訂版」は、ロバート・キヨサキ氏によって執筆された書籍です。この書籍は、お金と投資に関する基本的な知識や考え方を紹介しています。
「金持ち父さん貧乏父さん 改訂版」では、キヨサキ氏が自身の2人の父である金持ち父さん(友人の父親)と貧乏父さん(父親)の対比を通じて、お金に対する考え方や投資や事業の重要性について解説しています。金持ち父さんと貧乏父さん、それぞれの考え方や生活スタイルの違いを通じて、お金に対する価値観や思考の違いを示しています。
この書籍では、一般的な学校教育や社会の常識とのギャップを示し、資産と負債の区別やキャッシュフローの重要性、投資の種類やリスク管理の方法など、実践的な知識を読者に伝えます。
この本を読むことで、お金に対する新たな視点や考え方を得ることができます。ただし、初心者にとっては内容が少し難解な場合もありますので、自分の理解レベルに合わせて読み進めることが大切です。
「金持ち父さん貧乏父さん 改訂版」は、お金についての知識を身につけたい人や、お金に対する価値観を変えたい人にとって、非常に有益な書籍です。ぜひ一度読んでみて、自身の人生観やお金に対する考え方を見直してみてください。