1. はじめに
「仕事でリーダーになりたい!」と思っている方はいますか?もちろんいらっしゃると思います。その向上心は重要ですし、目的や目標をもって取り組んでいるとすればすばらしいことだと思います。何も否定されることではありません。
それでは、質問の視点を変えたいと思います。リーダーになりたいと思っている皆さん、またはリーダーの方に質問です。「周りの同僚や部下は、あなたにリーダーになって欲しい、またはリーダーを続けて欲しいと思っていますか?」リーダーになりたいあなたは、「もちろんです。みんなが自分になって欲しいと思ってくれていて、みんなが私の背中を後押ししてくれているのです!」と答えられますか?リーダーのあなたは、同僚や部下がついてきてくれずに孤独を感じてはいませんか?
自信をもってそう答えられる方は…おそらく、半数もいないのではないでしょうか?もし、そう答えられる方が8割を超えるようであれば、皆さんの会社や職場はとてもよい環境にあり、日本は競争力も当然あり、きっと未来は明るいことでしょう。ん!?日本って世界競争力などで多くの問題を抱えていませんでしたか?
本記事では、以下の4点について解説していきたいと思います。
- 世界との競争の中において日本で何が起きているのか
- 考えられる要因
- 真のリーダーが増えるために皆さんができること
- リーダーになりたい皆さんが今からでもできること
今回はあまり深堀りはしないようにして、イメージをもっていただければ嬉しいです。
2. 世界との競争の中において日本で何が起きているのか
スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表する「2022年版のIMD世界競争力ランキング」では、日本の競争力総合順位は63カ国中、34位です。1989年~1992年までは1位でした。ここでは、三菱総合研究所が掲載する解説編「IMD「世界競争力年鑑2022」からみる日本の競争力 第1回:データ解説編」へのURLを掲載しておきます。ビジネス効率性分野が51位であり、日本の総合順位の足を引っ張っています。
周りの方がなって欲しいと思えるリーダーが増えればきっとよくなっていくと思います。でも、職場で話を聞くと、「なんでこの人が?」「実績もないのに」「人の成果を搾取するテイカーなのに」「上司に媚びを売っているから」なんて言葉をよく聞くのが現実です。
3. 考えられる要因
なぜ、こんなことが起きるのでしょうか?このようなことが起きる原因の一つは、リーダーになりたいと思う人の目標や夢が、明確でなかったり、共感されないなんてことはないでしょうか。
例えば、給料を増やしたい、上司や世間から認められたい、楽をしたい、努力したくない、マウンティングを取りたい、こんな人は、同僚や部下にはすぐに見抜かれてしまいます。誰もついていこうとしません。そうすれば生産性が下がることは明らかです。
それでも、仕事で皆さんに共感される目標や夢がなく、共感されないのにも関わらず、リーダーというポジションに就けてしまう理由は…日本社会は多くの企業において国際的には閉鎖的であり、「年功序列」の社会で生きていくことができてしまうからです。
だって、真の国際化を目指して世界で戦っている日本企業はもちろんあり尊敬でき、誇りを持てるのですが、それ以外の企業についてはいかがでしょうか。日本国内の需要の中だけで成り立ち、働いた時間がものをいう社会で育ち、問題を起こさず、上司に好かれることが出世の道であれば、おかしくなることは当たり前ですよね。IMD世界競争力で、日本がビジネスの効率性が相当に低いことと一致しませんか?
5. 真のリーダーが増えるために皆さんができること
リーダーになるべき人物像について職場内で言葉を発していくことが重要です。もちろんハラスメント被害を受ける可能性もあるので、簡単なことではありません。でも、何もしなければ、何も変わりません。変えるための小さな一歩を一人でも多くの方が踏み出すことができれば職場を変えることができます。何も行動を起こさないということは、現状に賛成したということにもなりかねません。政治も同じですよね。私たちひとりひとりが自覚と責任をもって行動していくことが大切です。
6. リーダーになりたい皆さんが今からでもできること
目標や夢が他の方に共感されない場合の多くは、上司だけを見て仕事をしている場合であると感じています。そして、皆さんが思っている以上に、目標や夢が明確でない人の人望はありません。そして、多くの人が自分のことしか考えらえないため、人望がないことに全く気づいていません。これが悲しい現実を生み出しています。
上司ではなく、いっしょに仕事をする同僚や部下への配慮、会社や社会への貢献という意識をもつことで、今は人望がなくても(それに気づいてすらいなくても)変わることができます。
もし、リーダーになりたいと思っている皆さんが、「同僚や部下が協力してくれない」「情報を共有してくれない」「話しかけてくれない、相談にきてくれない」という状況であれば、すでに黄色信号が灯っていると考えた方が無難だと思います。多くの人はそのことに気づいてすらおらず、本人の認識と同僚や部会の認識に、すさまじい溝(ギャップ)ができてしまっています。
あなたの成果は、同僚や部下の協力があってこそ成し遂げることができたものです。同僚や部下には、常にともに仕事をしてくれている姿を感謝の気持ちで見守り信頼し、リーダーになりたい皆さん自身も努力を続けていきましょう。そんな真のリーダーには、多くの人が必ず支えてくれるはずです。