自己管理能力

自分に素直になると成長できる:論語から学ぶ努力と謙虚さを持って成長する方法

1. はじめに

仕事で成功するためには、自分を常に向上させることが大切です。しかし、自分を向上させることに終わりはなく、その過程は容易ではありません。そこで、本記事では、論語に基づく自己向上の考え方と具体的な行動について紹介します。野中根太郎氏訳による「全文完全対照版 論語コンプリート(誠文堂新光社)」は、中国の哲学書であり、自己向上の考え方について多くの教えを伝えています。本記事では、その中から特に重要な考え方を深堀りし、仕事で前向きになり、ストレスを解消や軽減できるような具体的な行動を提案します。

2. 論語とは?

「論語」とは、中国の古代哲学書であり、儒教の経典の1つです。論語は、紀元前5世紀から4世紀にかけて、儒家の聖人である孔子が弟子たちとの会話や言行をまとめたものです。論語には、社会や人間関係、倫理、政治などについての教訓が多数含まれており、中国だけでなく、日本を含めアジア圏で広く読まれています。野中根太郎氏訳による「全文完全対照版 論語コンプリート(誠文堂新光社)」は、論語の日本語訳書であり、解説や対訳を含む完全版としても知られています。論語には、仕事においても有用な多くの教えが含まれており、自己向上のための指針としても読み継がれています。

「論語」は、今でも多くの人々に愛読され、その教えが広く受け継がれています。日本でも、明治時代には渋沢栄一氏が「論語」と算盤を並べて学ぶことで、経営哲学や人間関係について学び、その教えを実践することで大きな成果を上げました。

渋沢栄一氏は、自らの経営哲学の根底に、「論語」の教えがあると述べ、その精神を基に、社会貢献を目指す経営姿勢を貫きました。そのため、「論語」は、経営哲学だけでなく、人間関係や倫理、教育など、様々な分野で広く活用されています。

3. 自分を向上させることをやめてしまう5つの理由

自己向上は、成功への道を切り開き、仕事においても大きな成果を生み出すために必要なものです。しかし、自己向上には継続的な努力と忍耐が必要であり、時には困難に直面することもあります。以下では、自分を向上させることをやめてしまう理由を5つ挙げてみます。

(1)仕事ができるようになると自分が才能があると思いこみ素直な気持ちがなくなる

仕事において成功を収めたり、得意なことがあると、自分に才能があると思い込んでしまいがちです。そのため、自分自身を客観的に見ることができず、素直な気持ちがなくなってしまいます。自己評価を過信してしまうと、新たなチャレンジに対して消極的になり、自己向上の意欲が低下することがあります。

(2)知識が増えると自尊心が高くなり他人の意見を聞かず排他的になる

知識を習得することで、自分自身の自尊心が高まることがあります。しかし、自尊心が高まりすぎると、他人の意見を聞くことを拒否してしまうことがあります。その結果、自分自身が偏った考え方をしてしまうことがあります。自分自身を客観的に見ることや、異なる意見を受け入れることが大切です。

(3)努力することから逃げてしまう

自己向上には継続的な努力が必要ですが、その努力をすることが嫌になってしまうことがあります。そのため、努力を怠ってしまい、自己向上の意欲が低下してしまいます。努力を継続するためには、自分自身の目的意識や、達成したい目標を明確にし、そのために必要な努力をすることが重要です。

関連記事:論語が教える!リーダーに求められる素質!「行動で示してから語る」ことが重要な5つの理由

(4)目標を見失う

自己向上のためには、目標を設定することが大切ですが、目標を見失ってしまうことがあります。目標が不明確だったり、目的意識を持っていなかったりすると、自己向上の意欲が低下してしまいます。明確な目標を設定することで、自分自身を励まし、目的に向かって行動することができます。

(5)周りの環境の影響を受ける

自己向上を目指す際には、周りの人々の影響を受けることがあります。周りの人々が消極的であったり、自己向上に興味がなかったりすると、自分自身も影響を受けてしまい、自己向上の意欲が低下してしまうことがあります。自分自身が本当に望んでいることや、目標を見据えた行動をすることが大切です。また、自己向上に興味を持つ人々と交流することで、刺激を受け、自己向上の意欲を高めることができます。

4. 自分を向上させるための重要な4つの考え方

(1)才能が十分にあっても才能がない物にも素直に教わろうとする

自分自身に才能があると思っていると、素直に他人から教わることができなくなります。しかし、自分にはまだまだ成長できるという意識を持ち、才能のない人からも学ぶことができるという柔軟な姿勢を持つことが重要です。自分自身の可能性を広げ、成長するためには、素直に新しい知識やスキルを取り入れることが必要です。

(2)知識が十分にあっても知識の少ないものにも自分の知らないことがあるのではないかと質問する

知識を持っていると、自分自身がすでに知っていることに固執してしまい、新しい知識を受け入れることができなくなることがあります。しかし、自分自身の知識や考え方が限定されている可能性があることを認識し、自分自身に問いかけることが大切です。自分の知らないことを学び、新しい知識を得ることが自己向上につながります。

(3)人格も十分にできているのにまだまだと更なる向上を求める

人格は、努力を重ねることで磨かれるものです。自己評価が高い場合でも、自分自身を振り返り、更なる成長を求めることが必要です。自己評価を持ちつつも、自分自身を客観的に見ることができるようになることで、自分自身に対する認識が深まり、成長することができます。

(4)他人から争いをしかけられても張り合うことはしない

自己向上においては、他人との比較や競争が避けられない場合があります。しかし、自分自身の成長のために、他人と競争することに重点を置くことは避けるべきです。自分自身の成長を最優先し、他人との競争に意識を集中するよりも、自分自身が達成したい目標に向けて進むことが大切です。他人との比較や競争に意識を集中すると、自分自身の成長にブレーキがかかり、ストレスや不安を感じることもあります。自分自身の目標や夢に向かって、自分自身のペースで進むことが重要です。自己向上は、自分自身の成長を実感することで得られるものであり、他人との比較や競争によって得られるものではありません。

5. まとめ

本記事では、論語について紹介し、自分自身を向上させることをやめてしまう理由と、それを避けるための考え方について述べてきました。

論語については、儒教の教典であり、中国哲学の基本的なテキストの一つであることを紹介しました。

また、自分自身を向上させることをやめてしまう理由として、仕事ができるようになると素直な気持ちがなくなり、知識が増えると自尊心が高くなり他人の意見を聞かず排他的になる、努力することから逃げてしまう、目標を見失う、周りの環境の影響を受けるという5つの理由を説明しました。

その結果も踏まえて、自分自身を向上させるための考え方として、才能が十分にあっても素直に教わろうとすること、知識が十分にあっても自分の知らないことがあるのではないかと質問すること、人格も十分にできているのにまだまだと更なる向上を求めること、他人から争いをしかけられても張り合うことはしないことの4つについて紹介しました。

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6. おすすめ書籍「全文完全対照版 論語コンプリート(誠文堂新光社)」

「全文完全対照版 論語コンプリート(誠文堂新光社)」は、野中根太郎氏による翻訳版の論語全文を完全対照版で収録した書籍です。論語は、孔子とその弟子たちの言行録をまとめたものであり、中国の古典的な書物の一つとして知られています。この書籍は、野中根太郎氏による日本語訳と原文を並べ、より深い理解を得ることができるようになっています。また、本書では、論語の各章について、解説や注釈も豊富に記載されており、読者が論語をより深く理解することができるようになっています。この書籍は、論語を学ぶ上での必読書とされています。

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