1. はじめに
仕事において、コミュニケーション能力は非常に重要です。特に、話し方はビジネスにおいて大きな影響力を持っています。しかし、話し方が苦手だと感じている人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、話し方をちょっと変えるだけで、仕事もプライベートも大きく好転し、ストレスも減らすことができる方法や話し方のコツについて紹介します。
本記事の内容は、永松茂久氏による「人は話し方が9割(すばる社)」を参考にしています。永松氏は、コミュニケーションのプロフェッショナルであり、ビジネスマンに向けた話し方の指導や講演活動を行っています。彼は、「話し方が9割」という言葉で、話し方がビジネスにおいてどれだけ重要なのかを訴えています。
次に、本記事では、「話し方」が苦手な人がやりがちな5つの特徴について説明します。また、「話し方」に高度なスキルは必要ない3つの理由について解説します。その上で、①また会いたい・話したいと思われる人の話し方、②人に嫌われない話し方、③人を動かす人の話し方について、具体的にできる行動やポイントについて紹介します。
2. 話すのが苦手な人がやりがちな5つの特徴
(1)否定のある空間を作っている
話し方が苦手な人は、会話の中で否定的な言葉や表現を使いがちです。相手の意見に反対する場合や、自分の意見を主張する場合に、否定的な言葉が出てしまう傾向があります。しかし、否定的な言葉を使いすぎると、相手が嫌な気持ちになり、会話が進まなくなることがあります。会話の中で肯定的な言葉や表現を使うことで、相手の心を開いてコミュニケーションを進めることが大切です。
(2)無反応である
話し方が苦手な人は、会話の中で相手の話に対して反応が薄い傾向があります。相手が話している内容に対して、適切なリアクションやフィードバックを行うことができないため、相手から興味を持たれなくなることがあります。自分の意見や話題を持ちかける前に、相手の話に真剣に耳を傾けることが大切です。
(3)自分の話ばかりしている
話し方が苦手な人は、自分の話題になると長々と話し続ける傾向があります。自分の話ばかりをすると、相手が退屈してしまい、コミュニケーションが続かなくなることがあります。相手の話に興味を持ち、適度なリアクションを行いながら、自分の話題を盛り込むことが大切です。
(4)話し方が一方的である
話し方が苦手な人は、相手の話に対して、適切な質問や反応を返すことができない傾向があります。自分の意見を主張することに集中して、相手の話を聞き流してしまうことがあります。しかし、相手とのコミュニケーションを深めるためには、相手の話に適切な反応を返すことが大切です。
(5)間違った言葉遣いをしている
話し方が苦手な人は、言葉遣いが不適切なことがあります。会話の中で、間違った葉遣いや、無礼な言葉を使ってしまうことがあります。また、相手の立場や気持ちに寄り添わない言葉遣いをしてしまうこともあります。これらの言葉遣いは、相手に嫌な印象を与えてしまうため、適切な言葉遣いを心がけることが大切です。また、相手の気持ちを考えた上で、適切な表現や言葉を選ぶことが重要です。
3. 「話し方」に高度なスキルは必要ない3つの理由
(1)話す力はスキルよりもメンタルが重要
話し方に高度なスキルは必要ありません。重要なのは、自信や積極性、または自分自身に対するポジティブな姿勢など、メンタル面の強さです。話すことに自信を持ち、リラックスして自然な口調で話すことができるようになると、自然な話し方を身につけることができます。
(2)話し方には聞き方が重要
話し方には、聞き方が重要な役割を果たします。相手の話を注意深く聞き、適切な反応を返すことで、良好なコミュニケーションができます。相手の話を遮ったり、無視したりすることは避け、相手の話に耳を傾け、相手の立場に立った上で、適切な反応を返すことが大切です。
(3)聞くときの表情が重要
話し方に高度なスキルは必要ないという理由の1つに、聞くときの表情が重要であることが挙げられます。相手の話に興味を示し、相手の気持ちを理解するために、適切な表情を作ることが大切です。相手の話に対して冷たい表情をしたり、無表情で聞いていると、相手が話す意欲を失うことがあります。また、相手に対して積極的に笑顔を見せることで、相手がリラックスして話をしやすくなります。
(4)相手に話をしてもらうこと(拡張話法)が重要
話し方に高度なスキルは必要ない理由の1つに、相手に話をしてもらうための拡張話法があることが挙げられます。拡張話法とは、相手の話に対して質問を繰り返し、深く掘り下げることで、相手に話を引き出す方法です。これにより、相手が自分の気持ちや考えをより深く話すことができます。拡張話法を使うためには、相手の話に興味を持ち、相手が話したいことを引き出すために適切な質問をする必要があります。
(5)話し方に必要な要素
話し方に高度なスキルは必要ありませんが、基本的な要素はいくつかあります。まず、明瞭な発音や適切な声のトーン、ペースやリズムのコントロールなど、話し方の基礎技術が必要です。また、相手に適した語彙や表現を使うこと、相手の立場や感情に配慮した表現をすることも大切です。さらに、話し方にはストーリーテリング能力が必要とされる場合もあります。ストーリーテリング能力は、物語をうまく構成し、聞き手に興味を引く能力です。これらの要素を身につけることで、より効果的なコミュニケーションが可能となります。
4. また会いたい・話したいと思われる人の話し方のコツ
(1)誠実な気持ちでほめる
人は、ほめられることで嬉しい気持ちになります。また、相手をほめることで、相手から好感を持たれることがあります。ほめ方は、具体的で誠実であることが大切です。ただし、過剰なほめ言葉は相手に不快感を与えることもあるため、適度な節度を持って行うことが重要です。
(2)相手の立場や話題に合わせて共感を与える(正しい話よりも好かれる話をする)
話の内容は、正しいことが大切ではありますが、人とのコミュニケーションにおいては、相手に共感を与えることが重要です。相手に興味を持ってもらうためには、自分の経験や感想など、自分自身の話を交えることが有効です。ただし、相手に不快感を与えるような話は避け、相手の立場や話題に合わせた話をすることが大切です。
(3)相手を話の主役にする
話をする際、自分自身を主役にするのではなく、相手を主役にすることが大切です。相手が話したいことや、相手の気持ちを優先することで、相手から共感を得ることができます。また、相手の話を注意深く聞き、相手が話したいことに対して適切な反応を返すことも大切です。
(4)相手に興味を持ち共感を示す
相手に興味を持ち、共感を示すことも、また会いたい・話したいと思われる人の話し方につながります。相手が話したことに対して、適切な反応を返すことで、相手が自分自身を理解されていると感じることができます。相手の話に対して、興味を持ち、共感を示すことで、相手との良好な関係を築くことができます。
(5)聞き上手を意識する
また会いたい・話したいと思われる人の話し方には、聞き上手であることも重要です。相手の話に注意深く耳を傾け、相手が話したいことに対して適切な反応を返すことで、相手との信頼関係を築くことができます。相手が話をしている時に、自分の話や意見を押し付けるのではなく、相手が話したいことに興味を持ち、質問や共感を示すことが大切です。また、相手の話を繰り返したり、要約したりすることで、相手が自分自身を理解されていると感じることができます。聞き上手であることで、相手との信頼関係を築くことができるだけでなく、相手の本当の気持ちやニーズを理解することができるため、より効果的なコミュニケーションができるようになります。
5. 人に嫌われない話し方
(1)好かれることよりも嫌われないことを意識する
話をする際、相手が嫌な気持ちにならないようにすることが重要です。例えば、相手の意見に対して否定的な言葉を言ったり、不適切なジョークを言ったりすることは避けるべきです。また、相手に対して批判的な態度を取らず、相手を尊重することも大切です。
(2)余計なひと言を言わない
話をする際には、余計な言葉を言わないように気を付けることが重要です。相手にとって不快になるような発言や、話題から逸れた話をすることは避け、必要な情報や意見だけを伝えるようにしましょう。
(3)正論はストレートではなく変化球で伝える
正論を伝える際には、ストレートな言葉遣いだけでなく、相手の立場や気持ちを考慮した変化球の言葉遣いを心がけることが大切です。相手が傷ついたり、攻撃されたと感じるような言葉遣いは避け、相手にとって受け入れやすい言葉を選んで伝えましょう。
(4)悩んでいる人には心を軽くしてあげる(解決しなくてよい)
悩んでいる人に話を聞く際には、相手の気持ちを軽くするような言葉遣いを心がけることが大切です。相手の悩みや苦しみを理解し、共感することで、相手が安心して話をすることができます。また、相手に対して前向きな言葉をかけることで、相手の気持ちを励まし、元気づけることができます。
(5)相手の立場や気持ちを理解する
話をする際には、相手の立場や気持ちを理解することが大切です。相手が話したいことや、相手の気持ちを尊重することで、相手から信頼され、共感されることができます。また、相手の意見や意見に対して適切な反応を返すことで、相手とのコミュニケーションがスムーズに進み、良好な関係を築くことができます。
6. 人を動かす人の話し方のコツ
(1)がんばれの使い方に注意する
「がんばれ」と言われても、その言葉だけで人は動かされません。むしろ、「がんばれ」と言われたことでプレッシャーを感じ、逆効果になることもあります。励ましの言葉を伝える際は、相手の気持ちに寄り添い、「一緒に頑張ろう」という気持ちを伝えましょう。
(2)人を叱るときは相手への敬意を忘れない
人を叱る際は、相手の立場や気持ちを考え、敬意を忘れないようにしましょう。相手を傷つける言葉やトーンで話すと、相手の心を閉ざしてしまいます。叱り方を工夫し、相手にとっての最善策を一緒に考える姿勢を示しましょう。
(3)悪口は言わない・聞かない・関わらない
悪口や批判的な言葉は、人間関係を悪化させます。また、そのような言葉を言うことで、自分自身の信頼性も失います。悪口を言わず、他人を批判することなく、建設的な意見や提案を行うようにしましょう。
(4)苦手な人とは適切な距離感を保つ
仕事やプライベートで、苦手な人と接することは避けられません。しかし、そのような人と接する際は、相手の立場や気持ちを考え、適切な距離感を保ちましょう。また、相手の長所を見つけ、褒めることで、関係改善につながることもあります。
(5)安心を与えるために共感を示す
人を動かす会話には、心理的安全性が必要不可欠です。相手に対して、自分自身をオープンにし、共感を示すことで、相手も自分をオープンにし、信頼関係を築くことができます。自分の考えや気持ちを正直に伝え、相手の意見に耳を傾けることで、共通の課題を解決するための意見交換ができるようになります。
7. まとめ
本記事では、仕事やプライベートで話し方を改善することで、ストレスを減らし、人間関係を改善する方法について紹介しました。具体的には、話し方が苦手な人がやりがちな5つの特徴や、「話し方」に高度なスキルは必要ない3つの理由について説明し、また、①また会いたい・話したいと思われる人の話し方、②人に嫌われない話し方、③人を動かす人の話し方について、具体的なポイントを紹介しました。
話し方は、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、人間関係を改善するために非常に重要なスキルです。本記事を参考にして、自分自身の話し方を振り返って改善してみることで、より良い人間関係を築くことができると嬉しいです。
8. おすすめ書籍「人は話し方が9割(すばる社)」
「人は話し方が9割」は、コミュニケーション力を高めるための話し方の基本をわかりやすく解説した書籍です。
本書の魅力の1つである「会話はスキルよりメンタル」というメッセージが多くの読者に支持され、読者層は小学生から90代までと幅広く、老若男女、あらゆる世代、性別に読まれ、全国各地の書店、ネット書店で、その売れ行きはますます加速しており、すばる舎としては、1989年4月1日の創業から初のミリオンセラーになっています。
イラストも多くあり、とても読みやすい内容になっていますので、是非、読んでみて下さい。また、同じく「人は聞き方が9割」もおすすめですので合わせて読んでみてもらえると嬉しいです。