仕事前向き

ビジネスにおける人材育成と創造性の重要性や大切さと具体的な行動:ケビン・ロビンソンの考え方

1. はじめに

ビジネスにおいて、人材育成や創造性は企業が成長する上で欠かせない要素です。

この点において、教育や創造性について深い見識を持つケビン・ロビンソン先生の考え方は、非常に参考になるものがあります。

ケビン・ロビンソン(Sir Ken Robinson)は、教育家、作家、スピーカーとして知られており、教育と創造性についての著作や講演で世界的に有名です。

世界中の著名人による講演を開催・配信しているTEDでの講演「学校教育は創造性を殺している?(Do school kill creativity?)」は再生回数が約7,400万回で総合第1位というすさまじい記録を残しています。

本記事では、ケビン・ロビンソンが提唱する教育と創造性の重要性について、ビジネスの視点から考察をしながら解説していきます。ビジネスにおいても、教育の現場と全く同じ状況にあり適用できるのです。企業がより競争力のある組織を作り上げるためには、人材育成や創造性の重要性を改めて認識できる内容になっています。その上で、創造性を高めるためにすぐにできる3つ具体的な行動について示しています。是非、最後まで読んでいただければ嬉しいです。

2. 解説

2.1 人材育成では個々の多様性を尊重する

ビジネスでの人材育成では、個人の多様性を尊重し、それぞれの能力や才能を引き出すことが大切です。

人材育成においては、職員の固有の目標や興味・関心、スキルなどを考慮して、個々にあった人材育成のカリキュラムを持つことが重要です。

2.2 創造性を育成するために職員に自由な環境を提供する

創造性は、学び方や問題解決能力、批判的思考力、コミュニケーションスキルなど、さまざまな能力を身につけることで育成することができます。

2.3 創造性の育成は仕事で必要な多くの能力強化につながる

創造性は、社会人になってからでも、今からでも学ぶことができます。創造性を身につけるということは、仕事に対する考え方やアプローチ、問題解決、コミュニケーションなどの多様なスキルを学ぶことです。そして、これらを総合的に活用していくことで創造性を高めることができるのです。

職員に対しては、企業や組織としては、様々なトレーニングや研修を提供することで、彼らの多様な能力を育むことができます。

個人としては、このような意識をもって仕事に取り組めるのかどうかが重要になります。

2.4 創造性の育成は企業や事業のイノベーションを促進し競争力を高める

創造性を高めることができる正しい人材育成は、企業にとって非常に重要です。創造性を身につけた職員は、問題解決能力や発想力に優れ、新しいアイデアを生み出すことができます。

このような職員がいる企業は、イノベーションを促進し、競争力を高めることができます。

また、職員自身も、自分の能力を発揮することができ、やりがいを感じることができます。その結果、職員のモチベーションが向上し、企業全体の生産性や利益につながることになります。

3. 創造性を高めるためにすぐにできる具体的な行動

創造性を高めるために人材育成が重要なことはお分かりいただけたと思います。

でも、これは企業や組織の上層部の人達が対応する必要がある問題なのでしょうか。

もし、皆さんの中で、上層部の人が変わらなければ何も変わらない、と他人事になってしまった方は注意が必要です。すでにこれまでの学校での教育や職場での標準化された仕様の中で創造性が失われているかもしれません。

でも、安心してください。創造性は本来、皆さんの中に先天的に存在するものなので、マインドセットを少し変えるだけで、今からでも掘り起こして育てることができるのです。

それでは創造性を高めるためにすぐにできる具体的な行動について3つの取り組みを紹介します。

3.1 上司や顧客の指示に対して自分なりの課題の抽出や解決方法を考える

これは日々の仕事の中で、少しだけ前向きな意識を持つことで行動に変えることができます。上司や同僚に解決方法を聞くのではなく、指示に対して、課題を見出し、課題を解決する上での考え方、アプローチ、具体的な方法を、自分自身で調べて考えてみましょう。

その上で、上司や同僚に相談して答え合わせをしながら、今回対応できなくても、次の指示に対して改善方法を自ら考えていくことができるようになります。

3.2 自分自身が属する場所の一歩外の世界を見る

先の方法で取り組んでいくと、上司や同僚に創造性が無い場合には、答えに納得がいかないことも出てくると思います。
その時は、皆さん自身が属する企業や関係する顧客ではなく、皆さんが属する場所の一歩外の世界を見て、調べたり考えたりしてみましょう。

具体的には、インターネットで調べる、少し距離のある友人と話をする、新しい人との人材交流を始める、などすぐに取り組めることもあります。

大事なことは、その標準化された世界観の中にとどまるのではなく、一歩外に出ることです。皆さんの視野を広げて創造性を高めてくれます。

3.3 自己投資や自己研鑽をする

何に自己投資をするのがよいのかを考えることが大切です。
自分自身の今の仕事、将来したい仕事や携わりたい事業やプロジェクト、一歩先の未来を考えた時に、今、何をしておくべきなのかが見えてくると思います。

上司などから与えられた仕事をこなすのではなく、仕事を見つけにいくという意識が大切です。

仕事を前向きな気持ちでしたいけれど、現在できていないのであれば、関連する書籍を購入して読んで、できることから行動していくのです。

そのひとつひとつの具体的な行動の積み重ねが、皆さんの創造性を高めてくれるのです。

4. まとめ

ここまで、ケビン・ロビンソン先生の教育と創造性に関する考え方を基に、ビジネスの視点から考察を加えてきました。

企業においても、教育や創造性を大切にすることが、より競争力のある組織を作り上げるために必要不可欠であることが分かります。

その上で、創造性を高めるために、企業や組織に頼るのではなく、皆さん自身がすぐにできる具体的な3つの行動を示しました。

  1. 上司や顧客の指示に対して自分なりの課題の抽出や解決方法を考える
  2. 自分自身が属する場所の一歩外の世界を見る
  3. 自己投資や自己研鑽をする

本記事は、ケビン・ロビンソンとルー・アロニカ(岩木貴子訳)の「Creative Schools 創造性が育つ世界最先端の教育(東洋館出版社)」を参考にしています。

ケビン・ロビンソンは現代の教育システムを批判し、創造性に基づく教育の必要性を主張しており、教育の目的は生徒たちが学び続けることと主張しています。ビジネスでも同じでありとても参考になりますので、興味のある方は是非、読んでみてもらえると嬉しいです。内容は学術的で少々難しいですが、その分読み応えがあります。

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