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仕事が苦手な人やうまくいかないと悩んでいる人必見!相手が欲しがっているものを「先取り」して提供する

1. はじめに

皆さんは仕事でうまくいくために何を重視していますか?こんな質問をされた時に明確に回答することができますか?いろいろあると思います。例えば、「上司の指示に従い対応する」「顧客の依頼に対応する」などがあるかと思います。

そこで、実際にその対応をすることで仕事はいつもうまくいきますか?もちろんうまくいくこともあるでしょう。上記に示した指示や依頼に従い対応するということは、相手が欲しがっているものを、指示や依頼に対して受け身で捉えて対応しています。でも、いつも受け身なので相手の意図を取り違えてしまう可能性もあります。また、依頼や指示を受けないときには、どのような対応ができるのでしょうか。依頼や指示がなければ何も対応しないのでしょうか?

本記事では、仕事がうまくいくために相手が欲しがっているものを「先取り」して提供することが重要な理由と、具体的に取り組むことができる行動について解説していきたいと思います。仕事がうまくいかなくて悩んでいる人は是非読んでみて下さい。

2. 解説

2.1 相手が欲しがっているものを「先取り」して提供することが重要な理由

仕事における成果というのは、どれだけ相手が欲しているものを満たすことができるのかにかかっています。それは、そのまま皆さんの給与や評価に数字として表れるのです。

もう少しかみ砕いていうと、空腹を満たしたい、おいしいものが食べたい、熟睡して睡眠の質を上げたい、仕事を忘れて遊びたい、ストレスを解消したい、リラックスしたいなどなど、人にはさまざまな欲求があります。その相手の欲求をサービスという形で快適に満たして、対価としてお金をもらうのが「仕事(ビジネス」になります。

会社や組織に属する職員であれば、成果を上げて会社や組織に評価されたい、部下に尊敬されたい、上司や顧客に評価されたい、会社や組織から評価されて給料を上げたいなどということになります。

「仕事が得意な人は、人の欲を満たすことが得意な人」なのです。会社や組織でいえば、上司や顧客にはどのような欲があって何を望んでいるのか、そのことが見抜ける人は、仕事がうまくいき、それだけ早く出世することになります。

ここで大きく違うのは、相手の指示や依頼に対応することが重要なのではなく、相手が何を考えているのかその欲を自ら探して理解して、相手が欲しがっているものを「先取り」して提供することなのです。そのため、相手からの指示や依頼は基本的には必要ありませんし、その「先取り」ができる人は指示や依頼があれば、その先まで読んで対応するのでもちろんうまくいきます。

確かに考えたら分かりそうなものですが、なぜできる人が限定されているのでしょうか。それは簡単です。「考えて行動する」か、「考えても(面倒だから)行動しない」か、「考える力がないので行動できない」かのいずれかであり、多くの場合は行動しない、または行動できないということになるためです。

2.2 具体的に取り組むことができる行動

それでは、仕事でうまくいくために相手が欲しがっているものを「先取り」して提供するための具体的に取り組むことができる方法について、きっかけにできるような例を挙げながら解説していきます。

ここでは、議論が発散しないように、上司が欲しいものを知り「先回り」して提供するということに焦点をあてたいと思います。この場合にできることとして例えば次のような方法があります。この行動自身は、「先回り」して提供するというそのものではありませんが、まずは上司の欲を知る必要があり、その欲を知るためのきっかけ作りとなります。

①上司が他の職員や皆さんに発言していることを聞く

これは上司に対してアンテナを高くし、上司が考えていることを理解することに役立ちます。上司が皆さん自身に発言している情報はもちろんですが、他の職員に発言していることも聞けば、上司が考えていること、つまり「欲」の情報量が何倍にも増えることになります。

多くの人は自分自身のことを中心に考えているので、他の人のことを気にかけたりしません。でも、実はそこに、「先回り」をするための情報が山ほどあふれています。仕事ができる人は、それが上司であれ、顧客であれ、取引先であれ、同僚であれ、部下であれ、しっかりと情報をキャッチしています。

②上司が上司の上司に報告していることを聞く(またはメールなどで見る、横目に聞く)

これが重要な理由は、上司の上にいる人に対して、上司が何を考えて行動しているのか、指示を受ける本来の目的や欲を知るための重要な手がりになります。

それが分かれば、指示など受ける必要はありません。大きな目的や方針を理解できるので、その欲を満たすための行動を「先回り」してすれば、上司の欲を満たすことができ、皆さん自身の評価もあがり、仕事をするのが楽しくなるきっかけにできるのです。

仕事が出来る人は、ここに全精力を注ぐといっても過言ではないほど力を入れています。皆さんの周りにも仕事が出来る人がいる場合には、その人がしていることにも注目してみると学びが多いことでしょう。

③毎日、定時に上司の席に行きプロジェクトの進捗を完結に報告し、次にすることを伝える

なぜこんなことをするの?と思う人がいるかもしれませんがとても重要です。まず、上司の時間を必要以上に取らないということが大切です。ひと昔前の暇な上司ならともかく、現代社会の上司はマネージャー兼プレイヤーで、責任も重く大変です。でも、上司は上司の上司にも状況を報告する必要があるのに、部下から報告がなければ、上司は上司の上司に怒られてしまいます。そうすると皆さんの上司は皆さんに対してなぜ進捗を報告しないのかと、怒られてしまうかもしれません。

でも、毎日、上司が比較的に余裕がとれる時間帯を見つけて、短時間で進捗を報告し、更に次にすることも伝えるとどうなると思いますか?上司の上司に聞かれても進捗を答えることができ、問題があれば手遅れになる前に事前に軌道修正をすることもできます。このやり取りを通じて、皆さんは上司が何を気にしている人なのか、何を欲している人なのか、プロファイリングができるのです。

これは毎日であるとか、定時の時刻とかは、皆さん自身が置かれた環境下の中で決めればよいものです。そして、その意識を具体的な行動に移す方法の一つとしては、スマートフォンのタイマーをセットしてみましょう。少なくとも、その時間になったことに気付きます。あとは、上司の席に行って報告できるかどうか。何もしないよりも、報告できる確率は高まります。

④月に1回、食事会を主催する

これは必ずしもしなければならない行動ではありませんが、上司が食事会を好むタイプだったとすると、食事会を主催する部下がいればとてもありがたい存在になります。更に、その食事会では、上司は気を許して普段の会社や上司の上司の愚痴も出てくるのかもしれません。皆さんや同僚に対して思っていることも教えてくれるかもしれません。もし、その情報がキャッチできれば、もうこちらのものです。「先回り」してどんどん課題を解決していくことができるのです。

筆者自身は「ノミニケーション」という言葉やイベント、接待は好きではありません。どちらかというと、相手を上司や部下という仕事上の立場を離れたフラットな状態で、普段考えていること、楽しいと思っていること、不満に思っていること、悩んでいること、価値観などを直接聞きたいと思っています。なので、食事会はランチでも構いません。大事なのは時間を取ってリラックスできる状況で話をすることなのです。

3. おわりに

本記事では、仕事がうまくいくために相手が欲しがっているものを「先取り」して提供することが重要な理由として「仕事が得意な人は、人の欲を満たすことが得意な人」であることを示してきました。また、具体的に取り組むことができる行動として、上司が欲しいものを知り「先回り」して提供するということに焦点をあて、以下の具体的な行動の例を解説しました。

  1. 上司が他の職員や皆さんに発言していることを聞く
  2. 上司が上司の上司に報告していることを聞く(またはメールなどで見る、横目に聞く)
  3. 毎日、定時に上司の席に行きプロジェクトの進捗を完結に報告し、次にすることを伝える
  4. 月に1回、食事会を主催する

ここで重要なことは、「意識」することではなく、実際に「行動」することです。できるところからで構いませんので、是非、皆さんの「行動」という一歩を踏み出していけると嬉しいです。最初からうまくいかなくてもよいのです。うまくいかなくても改善しながら、とにかく行動を継続することが大切なのです。

本記事は、水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」シリーズの「夢をかなえるゾウ1(文響社)」の一部を引用して記事にしています。この書籍は、まだまだご紹介したい、仕事で活用できるエッセンスがてんこ盛りです。筆者からもとてもおすすめできる書籍なので、ご興味のある方は是非、ご一読いただければ嬉しいです。

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