はじめに
仕事で知らないこと、分からないことがあったときに、皆さんはどのようにしますか?そのままにしておきますか?それとも、その場で調べたり、分かりそうな人に聞いたりしますか?
その仕事の経験が浅いほど、どのようにしてよいのか右も左も分からず、上司や先輩などに聞くしかないという状況になる場合も多いことかと思います。でも、何でもかんでもその人に聞いたらどうなりますか?上司や先輩からは「それぐらい自分で調べたら分かるでしょ!?」「そんなことも分からないの!?」「前に教えたでしょ!?」なんて言われてしまう経験のある方もいるのではないでしょうか。何度もそういわれると今度は質問しずらくなってしまい、その結果、質問できなくなり、分からないままやり過ごしてしまうことにもつながります。それは、皆さんにとって、チームや組織にとってどうなのでしょうか。
ここでは、仕事で分からないときに、自分で調べない人のメリット・デメリットを現在と未来の視点から示した上で、自分で調べて自分なりの答えを導きだし検証する癖をつけることの重要性について解説していきます。
自分で調べない人のメリット・デメリット
メリット
知識や経験があれば簡単に答えを出せるような性質のものであれば、「現在」の効率の最大化を図ることができます。なぜなら経験のある上司や先輩に聞いて、答えを教えてもらうことが一番、最短時間で問題を解決できるためです。
デメリット
自分で調べる努力を怠ると、皆さんにとって、仕事で必要な知識は身につきません。年数を重ねても、知識や経験を増やす量やスピードは伸びませんし、仕事で活躍することもできません。それが進んでいくと、会社から不要な存在になってしまったり、優しい日本の年功序列の社会の中では、逃げる癖がついてしまいます。
チームや組織にとっても皆さんが戦力でなければ、足手まといになり、いつのまにか腫物扱いにされているなんてこともありえます。リストラの対象になったり、嫌で単調な仕事ばかりを割り振られたり、年下の上司に馬鹿にされてしまったりするリスクも高まります。こんな「未来」は望んでいませんよね。
自分で調べる癖をつける
仕事に限りませんが、大事なことはアンテナを高く張り、情報を収集する力をつけることです。これは訓練でいくらでも強化することができます。分からないことがあれば、一般的なことであればインターネットで少し調べたり、専門的・技術的なことであれば関連法案や技術書籍や論文などを調べたり、職場内の過去の類似の事例を調べたり、他の職員が話をしている内容にアンテナを高くして聞いたりすることもとても大切です。
「分からなくなったら上司や先輩に聞けばいいや」という安直な手段を使い、自分自身で調べたり答えを出していくという訓練を怠り、この少しずつの苦労を先延ばしにしてしまうと、「現在」は効率的だったり良いように見えても、皆さんの「未来」に対して大きなツケを払っているということになります。
自分なりの答えを導きだし検証する
分からないことがある時は、自分自身で調べる癖をつけ、自分なりの考えや答えを導きだす(仮説立てる)ことが重要です。その上で、上司や先輩に聞いて、その答えや考え方が正しいのか、または顧客に対して実践して反応を得ることで、その仮説が正しかったのか、違う考え方をした方がよかったのか分かってきます。そして、場数を踏んでいくことで、さまざまな条件下でどのように考えて答えを導きだせばよいのかだんだん分かってきます。これを続けると、皆さんがその仕事におけるオンリー・ワンになっていくことができます。